AIを活用したバイブコーディングでウェブサイトを作成しました。
母は、遠藤周作の大ファンです。著作はすべて読んでいて、遠藤周作が亡くなったあとに発足された「周作クラブ」に長く参加してきました。例会に通い、会報をつくり、ゆかりの地を旅して——その時間のなかで撮りためた写真や、手元に残してきた資料が、家にはたくさんあります。
「いつか、これをちゃんとまとめてあげたい」。そう思いながら、何年も過ぎていました。重い腰を上げたのは、最近のことです。
きっかけ
数カ月前、母が入院しました。病気そのものは一過性のもので、もうすっかり治っています。けれど、退院してからの母は、どこか元気がありませんでした。気分の落ち込みが、思っていたよりずっと大きかったのです。
最近は少しずつ、いつもの母らしさが戻ってきています。それでも、もう一歩、毎日に張り合いが戻ればいい——そう願って、ずっと先延ばしにしていたサイトづくりに、ようやく取りかかりました。母が長年大切にしてきたものを、母自身がいつでも開いて眺められる場所をつくる。それが、いまの自分にできる贈り物だと思ったのです。
「狐狸庵ライブラリー」
できあがったのが、「狐狸庵ライブラリー」です。名前は、遠藤周作が自らの住まいに付けた庵号「狐狸庵(こりあん)」からいただきました。
なかには、母の時間がそのまま収まっています。読んできた蔵書の記録。読後の言葉を綴る感想ノート。『沈黙』の長崎や、文学館のある外海などゆかりの地をめぐるページ。そして、母がいちばん力を注いできた周作クラブの記憶——例会や旅、会報づくりの写真と文章。あわせて、約6,500枚におよぶ写真ギャラリーと、新聞の切り抜きやチラシ、冊子などを一点ずつ並べた資料アーカイブもあります。
作品の感想、周作クラブの活動の記憶、日記、趣味で制作した版画などの作品など(アトリエ)を管理者ページから自ら投稿できるようになっています。
派手なものではありません。けれど、ページをめくるたびに、母が遠藤周作とともに歩いてきた長い時間が、静かに立ちのぼってきます。
これから
母が遠藤文学に惹かれた理由を、本人はこう書いています。そこに描かれた神は「強く正しい信仰」ではなく、「弱い者のかたわらに寄り添ってくださる存在」だった、と。落ち込んだ日々を経たいまの母にこそ、その言葉はいっそう深く響いているのかもしれません。
このサイトが、母の毎日にささやかな張り合いをもたらしてくれますように。そして願わくは、同じように遠藤周作を愛する誰かの心にも、そっと寄り添う場所になりますように。

