スリッパ履きますか?

slipper01

今朝、同居人のスリッパをゴシゴシとたわしで洗った後、漂白剤につける作業をしながら思った・・・

スリッパって元々外国人向けだった物が、日本人の西洋かぶれが後押しして全国に広まったらしい。育った生活環境に依存するとは言え、足を汚さないためにたまにしか洗わないものを毎日履き続ける事にあまり合理性を感じなかったので、これまでスリッパを履くという習慣がなかった。

しかし、同居人を観察していてわかった。当たり前かもしれないが、スリッパを履くという行為には「ある程度床は汚くてよいもの」という行動原理があるのだ。(潔癖症は例外)

だから同居人はめったに床掃除をしない。テーブルを拭くときは、食べかすを床に払い落とすように拭く。床に大きなゴミが落ちていても基本拾わない。だから自室の床に掃除機をかける行為など下手したら半年くらい平気でやらない。

こんな調子なので、共同スペースの床掃除をしても、同居人の部屋からスリッパについたゴミが家中に拡散するので、頻繁な床掃除を強いられる。足裏に痛みを感じて、拾い上げてみると同居人が部屋で食べたスナック菓子の欠片だったりすることがよくある。

家族であれば精神的に大した負荷もないが、これが恋人となるとそうもいかないだろう。世の若い同棲カップルは価値観のすり合わせにすったもんだしているのだろうなと想像する。

そういえば、元部下が同棲を始めて間もない頃、大喧嘩したというので原因を聞いたら「彼女が風呂上りにバスマットの上で身体を拭いてくれないんです。身体を拭かずに脱衣所をウロウロするので毎日床がビショビショだから注意したら、男のくせにそんな細かいことでガタガタ言うなって・・・」と言っていた。結婚した今でもこの類の事で大喧嘩をするらしい。

男の一人っ子や男兄弟だけで育った人は女性に対してある種の幻想があるから、いきなり現実を突きつけられるのは結構キツイだろうと思う。

考えてみれば、1人暮らしの頃によく友人や同僚を呼んでホームパーティーをしていたのだが、その時スリッパは出さなかった。(そもそも人数分持っていないのだが)きっと嫌だった人も居ただろうなと・・・

なんにせよ、人によって価値観は千差万別。いかにどちらかが折れて一方に寄せられるかが共同生活を円滑にする秘訣であることは間違いないだろうと思う。